
2005.05.06
失望ノススメ。
長年、一緒に仕事をしているディレクターから、一通のメールが届きました。これがなかなか興味深い内容だったので、本人の許可を得て、ここに紹介したいと思います。
> 最近、考えることがあったのでひとつ。
> 福知山線の件。
>
> JRのしめつけがキツかったのでは、という議論が行われていますが、
> やっぱりこれも教育に関わることではないのかなと私は思うんです。
>
> あの運転手は、あのとき、パニックになった。
> いちど怒られた経験が頭にあって、それを回避しようとばかり考えて、
> パニック状態になった。
> これって、「打たれ弱さ」に関係しているような気がするんです。
>
> 最近、部下と接していて「打たれ弱い」ってつくづく思う。
> 怒られたことがないから、怒られるとそれだけでへこたれてしまう。
> もしくは反発してしまう。
>
> こないだ乙武さんが話していたように、先生がすぐ「セクハラ」や
>「体罰」だと非難されるなかで、子供たちは温室育ちになっている。
>
> 家庭では少子化、学校でも怒られない……。
> そんななかで育った子どもたちは、社会に出てはじめて怒られ、
> 非難され、そのことをどう受け止めていいのか、
> わからなくなっているのではないかと思うのです。
>
> にもかかわらず、保守的なJRという世界は、
> 昔と変わらないやり方で進めてしまった。
> 時代が変わり、教育も変わっているのだから、そこで育った人間を
> 育てるやり方も、もっと模索しなくてはいけなかった。
>
> もちろん本質はこれだけではないと思うけど、
> 何だかそんなことをツラツラと考えています。
以前に作家・重松清さんとお会いする機会がありました。『エイジ』『ビタミンF』など、子供の心理をじつに巧みに描いた作品を数多く手がけてきた重松さんですが、そのときも「なるほど」と思わず唸ってしまうようなお話をしてくださいました。
「いまの教育は、子供たちに失望を与えないよう最大限の注意を払っているように見える。でも、じつはそのことによって、子供たちに絶望を与えてしまっているのではないか」
僕らは、小さな頃から「失望」を積み重ねてきたはずです。
「アイツのほうが、俺より断然サッカーがうまいなあ」
「今回は必死に勉強したのに、また○○ちゃんより下だ」
「俺って……なんでこんなにブサイクなんだろう」
どんなに努力しても、逆立ちしてみても、できないこと、どうにもならないこと、ありますよね。「頑張れば何とかなる」なんて、真っ赤なウソ。自分の能力には、やっぱり限界があるのです。
<何だ、俺ってダメなヤツだな――>
クラスの誰かと比較する。先生にこっぴどく叱られる。そうして自分への小さな失望を積み重ねていくことで、僕らは “等身大の自分”を見つけていくのではないでしょうか。そして、そこではじめて「そんな自分に何ができるだろう」と考えられる。
ところが、いまの子供たちは、大事に、大事に育てられているために、傷つく経験を、自分に失望する機会を奪われてしまっているようなのです。
たとえば運動会。いまでは徒競走で順位をつけない学校が多くなったと聞きます。その理由は、「足の遅い子が傷つくから」。たしかに、これなら優劣もつかず、傷つくこともないでしょう。
中学生の進路指導。「おまえの成績じゃあ、A高校なんて無理だぞ」。こんなセリフが聞かれるのも、いまはテレビや漫画の中だけ。実際には、生徒のやる気を削ぐことのないよう、「合格できるように頑張れ」と言うのだとか。これって“指導”ではなく、“応援”?
社会に出れば、自分の能力のなさを思い知り、途方に暮れることなど山ほどあります。顔から火が出るほど恥ずかしい思いも、何度することでしょう。でも、それをバネに「また頑張ろう」と翌日から前を向くのです。小さい頃から「失望」を積み重ねてきた人間には、それができるはずです。
では、無菌室で育てられてきた子供たちは、社会で味わう挫折をどのように受け止めるのでしょう。抵抗力のないその体には、「失望」が「絶望」にも感じられるのではないでしょうか。
小さな失望には耐えられても、絶望は受け止めがたい。だから、精神を病んでいく若者が多いのではないか。そう、重松さんは指摘しているのです。メールを送ってくれたディレクターが書いていた「打たれ弱さ」にも同じことが言えるでしょう。
子供を傷つけるようなことをしてはいけない――。これは彼らの成長を見守る大人として当然のことです。ただ、子供たちが歩んでいれば自然に傷つくだろう機会まで摘み取ってしまうことは、かえって逆効果なのかもしれません。
いまこそ、教室からビニルハウスを取り除こう! そんなムーブメントを教育の現場に起こしていきたいものです。
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» 乙竹さんのブログ [HIROのここだけの話 から]
乙竹さんのブログを追加しました。
今回の内容、俺の中でかなり的を得てると思います。
自分の限界にぶつかったとき、
そのとき、自分って物が何かが見えてくる。
そんな自分に何ができるだろう?
乙竹さんの書かれてるように
その認識、つまりこの自己分析の一つに.... 続きを読む
受信 2005/05/06 16:11:48
» 打たれ強さを学ぶこと [悠々自適@WebryBlog から]
自分のよくみているブログから乙武さんのブログをみて思いました。 続きを読む
受信 2005/05/06 20:55:12
» 「叱咤耐性」の育み方 [hello! から]
乙武さんのブログが更新されました。教育関係の話が非常に多いので、興味深く拝読しております。何せ、これから学校教育を受けていく子供が2人おりますので。
さて、今回は現代の若者における「傷つけないような教育」、「打たれ弱さ」といったことがキーワードだ...... 続きを読む
受信 2005/05/06 22:39:00
» 「叱咤耐性」の育み方(その2) [hello! から]
前の記事の続きです。
叱るほうも、叱られるほうも、自分の立ち位置をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。叱る立場にある人は、相手が憎くて叱るのではなく、その人の成長のため、その人が将来同じような失敗で取り返しのつかないことをしてしまわないよ...... 続きを読む
受信 2005/05/06 22:40:11
» 失望ノススメ? [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
乙武洋匡さんのオフィシャルサイトで、「失望ノススメ」とゅータイトルの記事を読んだので、たまには真面目な話でも書いてみよぅかと思ってみたりしてwwここから先は、オトタケさんのサイトを読んでからのが理解しやすぃです^^;;「いまの教育は、子供たちに失望を与...... 続きを読む
受信 2005/05/07 0:31:58
» 最近、考えてみました。 [I HAVE DREAMS. から]
私がよく読んでるブログの一つとして、乙武さんのブログがある。
スポーツライターとして活躍されてる乙武さんだけど、最近新宿区で「子供の生き方パートナー」として教育活動のほうでもお仕事されてるんです。
経済学部卒の乙武さんだけど、受験時は教育学部にしようかすごく迷ったほど「教育」には興味がある方なのだ。最近のブログを読んで考えてきた事をちょっと。
体罰とかセクハラが小学校で問題になってる。
私の小学生の時、セクハラなんて全然問題として取り上げられた事なんてなかった。体罰は多少あったかな?(で... 続きを読む
受信 2005/05/07 12:39:27
» 「失望ノススメ。」 それは一方的すぎませんか!? [もぐらくんドットコム::blog から]
乙武さんのサイトをいつもチェックしています。最近は、新宿区の方で教育関係のお仕事... 続きを読む
受信 2005/05/08 4:38:00
» 脈略もなく考えたことを挙げてみた・・・ [悠々自適@WebryBlog から]
オトタケさんのブログについいて引き続き関連してるかな?
JRの脱線事故は、運転手の免疫不足から強迫観念をもってそれが事故の一因になった? 続きを読む
受信 2005/05/09 1:05:54
» 乙武洋匡さんのサイト [ちるのおへや から]
乙武洋匡さん
!
ご存知ですか?
私がお友達になりたい有名人NO1の人です・・・・(・ω・)ノ
名前だけじゃ、知らない人もいるかな?
じゃあ、これを見れば知ってるかな?
著者: 乙武 洋匡
タイトル: 五体不満足
私、この人のポジティブな考え方がとっても好きです。
この本も読みました。
最初は、この本のタイトルに驚きましたが・・・�... 続きを読む
受信 2005/05/09 20:49:10
» ぇ〜と… [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
14日(土曜日)に授業参観だったりします。参観するのは…「2時間目・朝の会」…は?Σ( ̄ロ ̄lll)「子ども達が頑張って朝の活動に取り組んでる姿を見てもらぃたぃと思ってます」…それはイィんだけど…朝の会!?Σ( ̄ロ ̄lll)ちなみに…朝の会を参観した後は、保護者...... 続きを読む
受信 2005/05/10 4:11:21
» しばらく学校ネタでイィですか?w [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
最近、個人的なこと+学校のことでのストレスが多いかもしれなぃ真実でござぃます…OTL今日の連絡帳に「運動会の練習について(かけっこの取組方など)を聞きたいのですが、どぅしたらぃぃですか??」と書いてたんですね。そしたら…「直線コースをお友達数人と並んでス...... 続きを読む
受信 2005/05/11 0:50:18
» 乙武さんサイト [つまらん日記 から]
乙武さんサイトからです。 まとめレスならぬ、まとめトラバになってますが。 乙武洋... 続きを読む
受信 2005/05/13 0:30:55
» なるほどねー [きまぐれな私 から]
乙武さんのBlogを読んで、なるほどなーと思った。
なるほどそういう面はあるなーって。
特に、「失望を奪われる」に関して。
でも、この記事を読みながら頭をよぎったのは学校の風景なんです。
今、学校は非常に弱い立場にある。
先生が尊敬されてないから。
児...... 続きを読む
受信 2005/05/13 9:40:28
» 教育って難しい・・・ [ちょこっとメモ日記 から]
ココログのトップページに紹介されている 乙武さんのブログをたまたま見に行きました 続きを読む
受信 2005/05/14 17:19:47
» 今こそ、共に手を取り合え。(JR福知山線脱線事故) [一隅を照らす旅。 から]
対決に未来はない―従業員参加の経営革命
西日本旅客鉄道労働組合。
数々の労使闘争の歴史。
ボクは、仕事柄どうしても人事的側面に目を向ける傾向がある。
今回の大惨事の背景には、
人事制度の疲弊や労使関係に混乱があったのではないかと
あれこれと思いを巡... 続きを読む
受信 2005/05/15 10:59:47
» 授業参観。 [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
特別な仕事の日やったのに〜。・゚・(ノД`)・゚・。(謎w)とか思いながら授業参観でしたww子ども達はフツー通りに登校し…保護者は9時半から開始で、まずは就学支援費とやらの説明会。ぅん、よくわからん(ぇwまぁ、とにかく渡された書類を、記入例を見ながら書い...... 続きを読む
受信 2005/05/16 0:30:03
» 言っちゃった^^;; [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
今日、16時頃に担任から(ケータイに)電話かかってきたので、ぃろぃろと意見を言っちゃぃました^^;;入学式の日に渡した書類は、きちんと目を通されてますか?そこに書いてぃた、姫の好きな道具ありますか?夏の体操服のズボンは、内ポケットがあるんですけど、そこ...... 続きを読む
受信 2005/05/18 3:03:51
» 学童。 [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
姫と同じ養護学校の1年生の子(重度重複障害児)…の、おにいちゃんの話。お母さんは仕事してなぃのですが、「真ん中の子に手がかかるので仕事できなぃ」とゅー理由で、去年は学童に通ってたらしぃんですね。そしたら今年突然…「仕事しなぃなら退所してくださぃ」と行政...... 続きを読む
受信 2005/06/12 4:14:56
» ぅわっ…(謎 [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
今日のアクセスログを見た時の第1声です(何w何も書いてなぃのに91アクセスあるのは何故!?とか思ったら…なんとなくわかった(だから何wwさてさて…姫のクラスは、昨日からプールが始まりました。プール大嫌いの姫ですが…昨日は結構楽しんでた様子との報告をもら...... 続きを読む
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» (o__)o~† [虹の彼方に〜未来は僕らの手の中〜 から]
最近、心身共に疲れきってます…(o__)o~†昨日のプールの件は…今日の連絡帳に「詳しい説明が欲しい」と書いてぃたら、仕事中に教頭から電話かかってきました(人並みに昼休みとかある仕事してませんから…)。まぁ、チョコチョコ水質検査をしてぃるらしぃのですが、大プ...... 続きを読む
受信 2005/06/24 0:43:37
» まだすこし続く [my favorite things から]
こないだ妹と、しゃべり場スペシャルの感想を言い合いました。
しかし多分、「登校拒否」「ひきこもり」って言葉でくくられているだけで、結局は個人の問題なので、どういう考え方が正解とか、理由や問題はこれに違いないとか、まとめて終わりは来ないんだろうなと思いま...... 続きを読む
受信 2005/07/21 20:51:49
